近年、フリース着用時にガスコンロなどの火が衣服に燃え移るという、事故が起きています。
ファッションを考える時には、安全性にも考慮して衣服を選ぶ必要があります。
安全にファッションを楽しむために、繊維の燃焼性に関する基礎知識を知っておきましょう。
繊維の燃焼性には、容焼性・可燃性・難燃性・不燃性があります。
・容焼性
容易に火がつき、すぐ燃え広がります。
この性質を持つ繊維は、綿・麻・レーヨン・キュプラ・アセテート・プロミックス・アクリルなどがあります。
衣服の繊維が毛羽立っている場合には、火がついて一瞬で火が表面を走るように燃え上がる表面フラッシュ現象が起こることもあるので、注意が必要です。
ガスコンロだけではなく、仏壇のろうそくの火などから燃え移った例もあります。
・可燃性
容易に火がつきますが、燃え方はゆっくりしています。
この性質を持つ繊維には、毛・絹・ナイロン・ポリエステル・ビニロンなどがあります。
・難燃性
火に触れている間は燃えますが、炎を遠ざけると火は消えます。
アクリル系・ポリ塩化ビニル・ビニリデン・ポリクラールなどがあります。
・不燃性
燃焼しない繊維です。
ガラス・金属繊維などがあります。
中皮腫などで問題となっているアスベストも、かつて不燃性の繊維として利用されていました。
このように、自分や家族が着ている衣服の素材を知っておくことはとても大切です。
調理前にどのような服を着ているのかをチェックすることで、危険を防止することができます。
高齢者用や防災用に難易性の衣類なども販売されています。
ファッションを考える際には、繊維の燃焼性の基礎知識を知っておけば、より安全にファッションを楽しむことができるのです。
衣服には、家庭用品品質表示法によって下記の表示事項が決められています。
表示をよく見て、衣服を選びあなたに合ったファッションを楽しみましょう。
また、表示を良く見て洗濯を行うことで衣服を長持ちさせることができます。
ファッションを楽しむためにも、表示の基礎知識を知ることが大切です。
・繊維の組成
組成繊維の名称・混用率を表示します。
例えば、「綿100%」「表地 綿100% レース部分 レーヨン100%」などの表示です。
・家庭洗濯などの取り扱い方法
取り扱い方法が絵表示によって示されています。
洗濯機での洗濯が可能か、手洗いのみ可能なのか、水洗いはできない、洗濯の液温の上限は何度か、などの洗濯方法の表示や、塩素漂白の可否、絞り方、干し方、アイロンのかけ方、ドライクリーニングの可否の表示があります。
ただし、水洗いが当たり前となっている靴下などには表示はついていません。
・はっ水性(水をはじきやすい性質)
コートなど、はっ水性が必要とされるものにだけ表示されています。
・表示責任者
表示責任者の氏名もしくは名称と、住所もしくは電話番号が表示されています。
繊維の組成と表示責任者に関する表示は、必ずなんらかの方法で付けなければなりません。
また、品質表示は取り付けラベルでも、下げ札でも、その形態は決められていません。
家庭洗濯などの取扱い方法の表示はわかりやすいように縫い付けられているのが一般的です。
基礎知識を知って、必ず表示を確かめて、大切な衣服を長く大切に着てください。
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ファッションを彩る衣服の材料の大半は、様々な繊維です。
綿や麻、羊毛など古くからの人間の生活にかかせない繊維から、新しく作られた化学繊維まで様々な種類があります。
ファッションを作り出す繊維に関する基礎知識を学びましょう。
繊維に関する基礎知識があれば、その繊維の特長を活かした洋服を選ぶことができます。
また、繊維に合った洗濯や扱い方などがわかります。
繊維は、大きく分けて、天然繊維と化学繊維に分けられます。
天然繊維はさらに、植物繊維・動物繊維・鉱物繊維に分けられます。
植物繊維とは、綿・麻、動物繊維は絹・毛・羽毛、鉱物繊維は中皮腫の原因となると問題となっている石綿(アスベスト)です。
化学繊維は、再生繊維・半合成繊維・合成繊維・無機繊維に分かれます。
再生繊維は、植物繊維をいったん溶かし、それを繊維に再生したものです。
再生繊維には、レーヨン・ポリノジック・キュプラ・テンセルなどがあります。
半合成繊維は、天然の繊維や蛋白と化学物質を結合させたもので、アセテート・プロミックスなどがあります。
合成繊維は、石油などから全く人工的に合成された繊維で、ナイロン・ポリエステル・ポリウレタンなどがあります。
無機繊維とは、ガラス・炭素繊維・金属繊維などです。
衣服に使われる繊維は、家庭用品品質表示法に基づき、使用されている繊維組成が百分率で表示されています。
衣服の購入や選択には、繊維の基礎知識を知っていることがとても役立ちます。