ファッションの基礎知識として繊維の特徴を知っておくことは、ファッションをさらに楽しむことにつながります。
身近な植物繊維の基礎知識を知っておきましょう。
衣料品に用いられる植物繊維には下記の種類があります。
身近な植物繊維の特徴を知って、衣類を選ぶ参考にしてください。
・綿
約5000年も前から人類の歴史の中で長く使用されている最も身近な繊維です。
日本では、室町時代後半から本格的に栽培され、江戸時代になると庶民の生活にはかかせない繊維となりました。
原料は綿花で花が咲いた後にできるコットンボールから溢れ出る白い繊維が綿となります。
吸湿性・吸水性が大きく肌触りの良い、皮膚に優しい繊維です。
通気性が良く、着用すると涼しく感じます。
欠点は、しわになりやすく、日光にあたると黄変しやすいことです。
タオルや下着、シャツ、シーツなどに多く用いられています。
・麻
人類が用いた最も古い繊維と言われています。
原料は麻の茎です。
麻は、家庭用品品質表示法では、亜麻(あま=リネン)、苧麻(ちょま=ラミー)の2種類です。
この他には、黄麻(こうま=ジュート)、洋麻(ようま=ケナフ)などがあります。
吸湿性・吸水性・透湿性に優れており、天然繊維の中では最も涼しいと言われ、夏の衣類の素材に適しています。
光沢があり、見る人に清涼感を与えます。
保湿性が低く、しわになりやすい、着用による摩擦で手羽立ちがおこりやすいという欠点があります。
この他には、パイナップルの葉の繊維からできるパイナップル繊維、夾竹桃科の白麻からできるロープーマなどがあります。
ファッションの基礎知識として繊維の特徴を知っておくことは、ファッションをさらに楽しむことにつながります。
ここでは動物繊維の基礎知識を学習しましょう。
衣料品に用いられる動物繊維は、絹、毛、羽毛があります。
さらに毛は、羊毛・カシミヤ・モヘヤ・アンゴラなど多くの種類があります。
・絹(シルク)
蚕の作る繭の繭糸が原料で、三角の断面をした繊維です。
しなやかで光沢があり、透湿性、保湿性が大きい繊維で、おしゃれ着に多く用いられています。
この光沢は三角の断面によってプリズムのような光の反射により作り出されます。
欠点は、紫外線を吸収しやすいので日光や蛍光灯により黄変しやすいこと、水分を含むと膨らみ硬くなる水洗いに適さない繊維であることです。
・羽毛
羽毛にはガチョウ(グース)・家鴨(ダック)が用いられています。
ダックよりもグースの方が、品質が優れていると言われています。
羽毛はさらに、フェザーとダウンに分けられます。
フェザーは水鳥の上着にあたります。
ダウンは、水鳥の胸などに生える水鳥の肌着にあたる羽毛です。
ダウンはタンポポの綿毛のような形状で、保温性、柔軟性に優れており、フェザーよりも優れています。
・羊毛(ウール)
羊から刈り取った毛が原料です。
羊毛は縮れた毛が絡まっているために保温性が大きく冬の衣料品の素材に適しています。
吸水性・吸湿性があり、しわにもなりにくい繊維です。
・カシミヤ
ヒマラヤ山脈に生息するカシミヤ山羊から取れる毛です。
羊毛に比べ柔軟で軽く、光沢があります。
・モヘヤ
アンゴラ山羊から取れる毛が原料です。
絹のような光沢があり、断熱・保温性にも優れています。
・アンゴラ
アンゴラ兎の毛が原料で、絹のような光沢があり、保温性にも優れています。
非常に毛が抜けやすく、静電気を帯びやすく埃で黒ずんでしまうなどの欠点があります。