5 月 03
ファッションを彩る衣料品には、様々な染色がほどこされています。
しかし、管理や洗濯方法をあやまると色が抜け、色あせをおこしてしまいます。
大切な衣服を長く楽しむためには、染色に関する基礎知識を身に付けることも大切です。
染色とは、染料や顔料で着色することです。
染色によって繊維は目的の色に染まるだけでなく、紫外線や洗濯などによって色が薄くなり(脱色)、色が変わってしまう(変色)ことがあります。
汗による脱色や変色も綿をはじめ、多くの繊維で起こります。
最近では、プリント加工による顔料での染色も多く、この場合にはバインダー(のり)で色を定着させているので、バッグが服に擦れて顔料がはがれ、布が白っぽくなることがあります。
染色では、赤・青・黄を混ぜて色を作ります。
この混ぜた色の中から、青色は汗や紫外線で色を抜けやすいことを知っておきましょう。
ポリエステルの黒からは、赤が抜けてしまうこともあります。
アセテートやポリアセテートに排気ガスなどに含まれる窒素酸化物(NoX)があたると、色が抜けてしまいます。
黒やこげ茶など暗い色で使われる硫化染料は、水と反応して硫酸となり、それが乾くと濃硫酸となります。
それに熱を加えると熱硫酸となって、生地がボロボロになってしまいます。
酸性雨によっても、衣類の色が変色してしまう事例もあります。
染色された衣服は、脱色や変色が起こりうることであると普段から取り扱いに気をつける必要があるのです。
様々なファッションを施した衣服が日本だけでなく、世界中から輸入されている現在、染料の基礎知識を身につけることが重要となります。